カサンドラ症候群当事者の自助グループのロゴ制作

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支援先カサンドラ症候群当事者の自助グループ「フルリール」
支援内容ロゴ制作
期間2025年7月〜11月
相談内容当事者への支援と、社会に向けて認知と理解を広げていくために団体のロゴを作りたい。
目次

当事者支援と理解をひろげるという課題

カサンドラ症候群の当事者による自助グループ「フルリール」のロゴ制作をご依頼いただきました。

カサンドラ症候群とは、発達障害特性が見られるパートナーとの関係や家庭生活の影響により、精神的・身体的に不調が現れる状態を指します。しかし医療上の診断名ではなく、社会的認知や理解も十分とはいえないため、当事者が孤立しやすいという課題があります。

本ロゴでは、当事者に安心感を届けると同時に、社会に向けて認知と理解を広げていく象徴となることが求められました。


ありのままに、澄んでいく——世界観設計

清らかな白とやわらかな寒色で構成された世界観を軸に、静けさと平等さを象徴するムードボードを設計しました。

飾らず、背伸びせず、ただそこにある素朴な空間。その佇まいが、当事者一人ひとりの輪郭をそっと浮かび上がらせることを目指しています。


線画のようにシンプルで、無理のないやりとりを感じさせるビジュアル。十分な余白があるからこそ、安心して息ができる。言葉よりも先に心が解けていくような、やさしい時間が流れるトーンを大切にしました。


デザインコンセプト——睡蓮に重ねた願い

モチーフは、水面にそっと咲く睡蓮。水平に広がる花の姿に、「誰もが等しく大切にされる社会」を願うフルリールの想いを重ねました。静かな水面に凛と佇む姿は、主張しすぎることなく、それでも確かにそこに在る存在を象徴しています。

あえて満開ではなく、開きかけの瞬間を描くことで、孤立の中にいる当事者が少しずつ光を取り戻し、自分らしく咲こうとする過程を表現しました。

飾らず、誠実に、ありのままを肯定すること。そのやさしさと希望を、できる限りシンプルな線に込めています。

設計意図と造形バランス

花びらはすべて同じ角度ではなく、わずかに方向を変えて配置しています。左右対称に整えすぎないことで、静止した図形ではなく、「今まさに開花している瞬間」の動きを表現しました。開きかけの揺らぎが、成長や回復のプロセスと重なるよう設計しています。

また、全体のバランスには黄金比を用いています。花の広がりや中心と外側の関係性を黄金比で構成することで、無意識下で心地よく感じられる調和と安定感を生み出しました。やわらかさの中に確かな秩序を持たせることで、安心感と信頼性を支える造形としています。

この記事を書いた人

2012年に市役所に入庁し、2018年〜2024年に広報の部署に所属。デザイン会社に委託せず、Illustratorを使って広報紙の制作を担当。現在は福祉の部署に所属。プライベートで2022年よりプロボノとしてNPOなどのソーシャルセクター向けの広報・デザインの支援をしています。1989年生まれ、一児の母。

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